私が弁護士になりたての頃は、養育費の計算がと・て・も・大変でした。
それぞれの収入から、現実に必要な経費を実額で差し引き、残りから子どものためにどれだけ負担し合えるかを計算していくのですが、実額がいくらなのか資料をそろえるのも大変でしたし、どれだけ負担し合うのかはっきりした目安もなく、まいどまいど猛烈に争わなければならず、それだけで調停がとても長引いたものです。
裁判官の研究チームによる養育費の計算式が公表され、実務でも使用されるようになってからは、計算自体はとても楽になりました。なんせ基本的に収入だけを確認すればよくなったからです。
ただ、あまり細かい事情に配慮がなく、収入額だけから計算されるために、なんだか結果がすごく不公平に感じられるケースも見かけます。
基準表ではだいたい2万円の幅が設けられており、その範囲内で実情に応じて金額を定めることになっていますが、よほど真剣に主張・立証しないと何の配慮もなく計算通りの金額で算定されてしまいますので要注意です。