私が扱う離婚事件は、以前は圧倒的に女性からの依頼だったのですが、最近男性からの相談・依頼も増えている気がします。
特に男性が子育てに関与するようになって、以前のように「煩わしい紛争に巻き込まれるくらいなら金を払ってさっさと解決」というスタンスの男性が減って来たように感じます。
離婚事件でいま最もハードに争われるのは面会交流です。
とにかく、もめます。
古い判例を読んでいると「子どもが元妻の再婚相手と幸せに暮らしているなら、会わずにそっと陰から見守るのもまた親の愛」なんて抒情的な判例もたくさんあるのですが、今や隔世の感です。
最近の裁判所の傾向は、面会交流は原則実施、暴力・連れ去りなど特段の事情がなければ拒否を認めない、という流れが定着しています。
これは面会交流の争いが多発するようになって、困った裁判所が事件処理の速度を上げるために考案した手法だという業界の噂もありますが、真偽のほどは定かではありません。
何にせよ、一介の弁護士としては現状の判例を踏まえて戦うしかありません。
原則実施といっても、いろいろな親があり、いろいろな過去の経緯があり、いろいろな子どもがいます。どうやったら双方の負担を軽く、子どもが喜ぶ面会ができるのか??
事件ごとに本当に悩まされます。