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若い世代の離婚が増えるにつれて、社会的にも離婚は受け入れられやすくなりました。離婚すると体裁が悪い、実家にも帰れない、働き口もないなどといった時代はもはや過去の話になりつつあります。
ここでは、子育てを終え、もう一度自分の人生を歩み出したい、そんな女性のために、熟年離婚の手引きをお伝えしたいと思います。
・熟年離婚の理由
・熟年離婚を考えたときに検討すべきこと
・熟年離婚に向けての準備
・熟年離婚の協議方法
・熟年離婚で協議に行き詰まったら
・熟年離婚をどう考えるか
どんな夫婦でも多少の問題は抱えていると思いますが、子育てを終え、中高年を迎えた方が離婚を決意するには、それ相応の理由があります。
・婚姻以来、折に触れて殴られる・蹴られるなどの大怪我には至らない暴力を受けてきたDVのケース
・「誰のおかげで食べていると思っているんだ」「お前は家事しか能がないのにそれも満足にできないのか」「一緒に暮してやっているだけでもありがたいと思え」などといった女性蔑視の暴言が繰り返されるモラルハラスメントのケース
・必要な生活費を渡してもらえない、借金を繰り返すといった経済的虐待のケース
このようなケースでは、子どもが成人するまではと我慢を重ね、子どもの学業終了を待って熟年離婚に踏み切る例がみられます。
年代を問わず不貞を理由とする離婚は増えています。熟年離婚のケースでは、過去にも不貞が発覚していて、そのときは子どものためにと思い離婚しなかったものの、中高年になって再び不貞が発覚し、離婚を決意するというケースが多くみられます。
「いい年をした夫が娘より若い女性と関係を持っているのが気持ち悪い」「自分たち夫婦はセックスレスであったのに外で関係を持っていたことが許せない」といった嫌悪感を訴えられる方もあります。
性格の不一致など様々な理由で離婚を考えながら、夫の退職を待って離婚しようと考える方は珍しくありません。
夫の退職金は、いわば夫婦の収入の一部を長年会社に積み立ててきたもの。これをきちんと分けてもらうことで、離婚後の生活設計が成り立ちます。
なお、退職金は、退職前であっても、「退職金を受け取る権利」が財産としてカウントされますので、退職前からでも財産分与の対象となります。このため、離婚の協議を退職まで待つ必要はありません。
夫や夫の親の介護が現実的な問題として迫ってくると、離婚を考える方が増えてきます。
ただし、介護の負担は最後に表面に出てくる問題にすぎません。長年の行き違いから、夫に対して愛情を感じられない、夫からも女性として大事にされたことがない、これまで感謝の言葉をかけてもらったことがないといった夫婦の間に蓄積された問題が、介護に対する強い抵抗感となって現れるのです。
介護には衣食のみならず身体的接触や排泄等の世話も伴いますので、それまでの婚姻生活を通じて、相手に対して愛情を失っているだけではなく、生理的嫌悪感まで生じている場合には、離婚の大きな理由になるでしょう。
自分の終末を考えたときに、自分の夫やその両親が入っているお墓に入ることに強い抵抗を感じて離婚を考え始める方もあります。
それは結局、妻にとって、夫やその実家を自分が属しているグループと感じられないということにあります。
そもそも夫婦とは、互いの愛情の上に成り立つものであり、戸籍上夫婦であっても、愛情を失ってしまえば夫婦としては成り立ちません。夫婦として成り立たなければ、夫の実家も、夫の実家の墓も、赤の他人の家・墓でしかなくなってしまいます。赤の他人と死後も一緒に過ごすことを拒否するのは、自然な感情と言えるでしょう。
離婚することを漠然と考えているけれど、何から検討すればいいのか分からない、そんな方は以下の順序に従い、今後の方向性を考えてみましょう。
離婚したい方も理由はさまざまです。DV,モラハラ、性的不一致、不貞、借金など、いつごろ、どんなことがあって、相手との離婚を考えるようになったのか、時系列で整理してみましょう。
また、離婚したい理由はいくつもあると思いますが、
・特に自分にとって決定的な理由はなにか
・決定的な理由以外の理由としては何があるか
・それらの理由を裏付ける資料(証拠)はあるか
を確認してみましょう。
この作業は、自分の気持ちをはっきりさせるというだけではなく、仮に夫が離婚を拒否した場合にも、離婚を強く要求できるかどうか確認し、今後の戦略を考える上で役に立ちます。
例えば、DVや不貞が理由であれば、その証拠がきちんとしていれば、夫が離婚を拒否しても離婚することが可能になります。また、何が理由で離婚したいのかはっきりさせることで、夫の納得も得やすくなります。
単に離婚したいと希望するだけではなく、離婚したあとの生活を想像して、離婚が実現可能かどうか検討してみる必要があります。いざ離婚に踏み出すとなると、先行きが分からず不安に駆られるもの。この作業は、自信を持って新しい人生に踏み出して行くための大事な作業です。できるだけ具体的に想定してみましょう。
・離婚した場合、自分はどこに住み、夫はどこに住むことになるか。
・仮に自分が自宅を出ることになった場合、他に住む場所はあるか。
・離婚後の生活費はいくらかかるか。
・年金はいくらもらえるか。
・夫から年金分割は受けられるか。
・離婚後は普段何をして暮すか。そのために便利な場所はどこか。
・ペットはどうするか。
・離婚後、自分が病気になった場合や、介護が必要になった場合には、誰に、どのような手続をお願いするか。
熟年離婚を希望する女性は、夫から財産分与を受けられると漠然と考えていると思いますが、財産分与を当てにして離婚後の生活設計を考えている場合には、それが本当に当てになるかどうか確認するために、早めに弁護士への相談をお勧めします。
妻が離婚を考えているとき、夫も夫婦の関係に不満を抱いていることが多いものですが、必ずしも夫が離婚に応じるとは限りません。男性は、妻に対して不満があっても、親戚や近所に対して世間体が悪い、会社に離婚を報告するのが煩わしい、家事をしてくれる妻がいた方が便利であるなどの理由で、離婚に応じない場合が多いのです。
また、特によく見られるケースとして、「妻に未練はないが、妻が離婚を求める理由に納得できないから離婚には応じない」と夫が主張する例があります。特に妻が、夫のモラハラ、夫に対する生理的嫌悪感、夫の両親との不和など、客観的な裏付けの少ない理由で離婚を求めている場合に、「そんなことはない」「妻が感情的になっているだけで正当な理由とは言えない」「むしろ妻の方に非があるので離婚に応じる理由はない」といった反論が夫からなされることがよくあります。
第三者からみると、「理由はともかく妻に対して愛情がないなら離婚すればよいのではないか」と思われるのですが、「正当な理由もないのに妻からの離婚要求に応じるべきでない」という理屈にとらわれがちな男性は多いものです。あるいは、そうした理屈の裏で、内心は1人になりたくないという男性の心理が働いているのかも知れません。
いずれにしても、相手の心理を考えず、口論の末カッとなって離婚を要求してしまうという事態は避けたいものです。その結果、協議がこじれ、調停や裁判など、面倒な手続に巻き込まれることにもなりかねません。離婚を切り出した場合に、夫がどのような反応をするか、まずは慎重に検討してみることが大事です。
熟年離婚で特に大きな問題となるのは、財産分与と年金分割です。
財産分与とは、婚姻期間中に、夫婦で協力して形成した財産を分け合う制度です。
例えば、独身時代に購入した不動産のように、婚姻期間外に形成された財産を「特有財産」といい、財産分与の対象外です。
問題になりやすいのは独身時代に形成した預金です。
独身時代の預金に手をつけることなく、婚姻後の収入で生活してきた場合には、独身時代の預金は特有財産にあたりますが、独身時代の預金と婚姻後の預金が混ざってしまっている場合には、婚姻後の財産であるのか独身時代の財産であるのかすぐには区別ができません。また、独身時代の預金が残っているとしても、配偶者の協力があったために使わずに残すことができたと言える場合もあります。このような場合には特有財産とは認められない場合があるでしょう。
例えば、夫婦の一方が親から遺産として受け取った財産は特有財産にあたり、夫婦で協力して形成した財産ではないので財産分与の対象外です。
ただし、独身時代の預金と同じように、その財産が残存しているのは夫婦の協力があったためと認められるような場合には、財産分与の対象となる場合があります。
住宅ローンや自動車ローンのように、婚姻生活のために夫婦の一方が負担している負債がある場合には、財産の総額から負債を差し引いて残りを分与の対象とします。
財産より負債の方が多い場合には、財産分与の請求はできませんが、残る負債を負担することはありません。
年金分割とは、夫婦の一方または双方が厚生年金(旧共済年金を含む)に加入している場合に、離婚に伴って、年金保険料の納付実績を分割する制度です。
厚生年金で働く夫は厚生年金保険料を納付しているので将来厚生年金をもらうことができますが、専業主婦の妻は国民年金しかもらえません。そこで、離婚する場合には、婚姻期間中に夫が納めた厚生年金の保険料の納付実績を分割し、妻も厚生年金が受け取れるようにするものです。
夫婦のどちらも厚生年金に加入している場合でも、収入が違えば、保険料の額も違いますので、多く納めている方が少なく納めている方へ、保険料納付実績が分割されることになります。
年金分割の結果、実際にいくら年金がもらえるかは年金受給時期になってみないと分かりませんが、50歳以上の方は、年金事務所で試算してもらうことができます。
夫婦で合意できる場合には、①公正証書を作成した上で、離婚した元夫婦の一方が年金事務所に届け出をする方法と、②離婚した元夫婦が2人で年金事務所に出向いて届け出をする方法があります。
夫婦で合意できない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。
年金分割を請求できるのは、離婚から2年間ですので注意が必要です。
離婚協議を始める前に、まずは夫婦の財産を整理してみる必要があります。
夫婦それぞれの以下のような財産資料を確認し、コピーを取っておきましょう。
・預貯金通帳
・保険証書
・車検証
・退職金に関する通知書など
・自宅など所有不動産の登記簿謄本・評価証明書(固定資産税納税通知書)
・財形・確定拠出年金に関する資料
・株式など証券の保有残高明細書
・源泉徴収票(または所得証明書)
・給与明細
近隣の年金事務所で「年金分割のための情報通知書」の取り寄せを申請しましょう。
【申請に必要なもの】
・戸籍謄本
・年金手帳(自分のもの)
・認め印
・免許証等の本人確認書類
後日通知書が郵送されますが、郵送先は原則として自宅住所です。夫に見つかりたくない場合には、申請の際、送付先を実家など別の場所に指定しておくと良いでしょう。
どのように財産を分けたいかなど、自分の望む離婚条件を整理しましょう。
協議に当たっては、必ずしも法律のルールに縛られる必要はありませんが、あまりに過大な要求をすると協議はこじれやすくなります。例えば、夫婦の主な資産が自宅しかないのに、自宅を自分に分与してほしいと請求すれば、夫に無一文で家から出て行けと要求しているのと同じになってしまいます。
早期に離婚を実現するには、相手の目線に立って、自分の要求が受け入れやすいかどうかを考えることも重要です。
協議を始める前に、協議がこじれた場合の避難場所を確保できるなら確保しておきましょう。感情的になった夫から暴力など受けることがあってはなりません。たとえば一時的であれば実家に戻れるかどうか、アパートを借りることができるかどうか、息子や娘の家に非難できないかどうかなど、いざというときに非難する場所は考えておくと良いでしょう。
自分1人で考えることには限界があります。第三者からみると他に考えなければならない重要な点があったり、本人が悩んでいることがさほど重要でなかったりすることもあります。
普通の悩みなら、友人に相談すればいいですが、離婚となると他人には話しにくいもの。法的なアドバイスを受けられる弁護士への相談はぜひ検討すべきです。
・そもそも離婚すべきかどうか。
・離婚しないで今の生活から抜け出す方法はないか。
・離婚するならどのような条件で離婚すればよいか。
・離婚が成立するまでにどんな展開がありうるか。
弁護士に相談するからといって、特に依頼をする必要はありません。まずは単発の法律相談を申し込みましょう。相談の上で必要を感じたら依頼してもいいですし、必要がなければ、依頼の必要がないとアドバイスしてもらえることでしょう。
当事務所では、緊急の案件以外は、2,3回の法律相談を受けてから依頼される方がほとんどです。
長年連れ添った夫婦の間での離婚協議は、若年離婚とは違う難しさがあります。
若年離婚では、夫も次の人生に目が向きやすいのに対し、熟年離婚ではむしろ孤独な老後を考えさせ、妻にしがみつく傾向があります。
また若年離婚ではそれほど大きな財産は形成されていませんが、熟年離婚では、老後の資金をめぐって夫婦双方が熾烈に争うことになります。
こうした熟年離婚の協議を、穏便に進めるためには以下の点に注意する必要があります。
通常、長年社会で働いている男性は、理屈の通った話に弱いものです。離婚の原因、財産分与の方法、年金分割の手続、これらの点を、順序よく、1つずつ個別に協議する必要があります。
協議の中で、過去の出来事や、結婚以来の不満など、お互いに言いたいことを言い合う場面もあると思いますが、相手の感情を逆なでして協議を長引かせるばかりで生産性がありません。
離婚するのであれば、相手に自分の思いを理解してもらう必要はありません。話し合わなければならない点に的を絞って、協議を自分で誘導していく必要があります。
一方で、相手が感情を爆発させているときに、それを無視して協議を進めようとしても、相手は意地になって協議に応じなくなります。自分自身は協議の目的を見失わず、相手の感情をうまくコントロールするよう務める必要があります。
相手の言い分がいかに身勝手であっても、カッとなって反論するのではなく、理性的に協議を進めましょう。
離婚するかどうか、夫婦の主な資産をどのように分けるか、年金を分割するならどのように手続をするか、別居はいつからにするか、自宅にある家財はどのように分けるか、こうした離婚に至るまでの問題点を1つずつ話し合い、話し合いがまとまった点から、形に残して行くとよいでしょう。
書面にするのが望ましいですが、メールやLINEなどで、お互いに納得したことをやりとりして形に残すのもいいと思います。
すべての点がまとまったら、離婚協議書を公正証書などで作成しましょう。
長年不和の状態が続いていたり、あるいは夫婦間に上下関係があるようなケースでは、協議自体が困難であったり、妻からの離婚要求に夫が逆上して協議どころではないということもあります。
このような場合に、どのような方法で離婚の手続を進めればいいのでしょうか。
夫の住所を管轄する家庭裁判所に申し込めば、裁判所が話し合いを仲介する「調停」という手続を利用することができます。
調停では、夫と顔を合わせることなく、調停委員を通じて話し合うことができ、離婚成立に向けて条件を整えることができます。
調停には強制力がなく、夫の同意がなければ離婚は成立しません。夫があくまでも強く離婚を拒否した場合には、改めて裁判を起こして離婚する必要があります。
どのような内容で調停を起こすか、あるいは裁判を起こすかについては、慎重な判断が必要です。ご自身で調停を行われる場合でも、申し立てる前に、一度弁護士に方針を相談してみることをお勧めします。
弁護士に依頼した場合には、調停には弁護士が同行します。また、ケースによっては弁護士のみで手続を進めることも可能です。裁判の場合には、弁護士のみが手続に出席し、ご本人は離婚成立の席など、特別な場合を除いて裁判所への出頭は不要です。
現在中高年の世代の女性は、男女雇用機会均等法が施行される前の世代の方です。この世代は、夫が家計を担い、妻が家事育児を担い、分業で家庭を維持するスタイルが主流でした。
子育てが終わり、老後資金の積み立てが終わると、家庭は結婚したときの当初の目的を達成します。このとき、目的を達成した家庭というプロジェクトチームは解散するのか、それとも、夫婦で支え合って老後を過ごすという次の目的に向けてチームを維持するのか、夫婦は選択を迫られるのです。
なんとなく惰性でチームを維持する夫婦も多いことでしょう。それは、日々の不満はあっても、安定した暮らしがあるからかもしれませんし、夫に対して家族的な愛情があるからかもしれません。
ですがこのページをご覧の方は、チーム解散を意識しなければならないはっきりした理由をお持ちの方であると思います。これまで、子どものためなどの理由で長年苦労をなさった方も多いことでしょう。ご苦労が報われ、新しい人生に踏み出されることを心よりお祈り致します。
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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