離婚原因

DSC05617s 離婚は夫婦で話し合って行うのが原則です(協議離婚)。

  それでは、相手が離婚に応じなければ離婚はできないのでしょうか。

 いいえ、そんな場合でも「離婚原因」(民法770条1項各号)があれば、最終的には離婚訴訟により、裁判所の判決によって離婚することができます(裁判離婚)。

 ですから、相手方が離婚に応じない場合には、「離婚原因」があるかどうかを検討し、それを客観的な証拠によって立証できるよう準備する必要があります。

 それではどのような事情があれば「離婚原因」と認められるのか見てみましょう。

(1)配偶者に不貞な行為があったとき

 「不貞な行為」とは、性交渉に限らず、夫婦間の貞操を守る義務に反する一切の行為を指します。性的関係が一時的かどうか、売買春行為かどうかは問いません。

 不貞な行為があったかどうかを立証するのは簡単ではありませんが、配偶者が不貞相手とホテルへ出入りする様子を撮影した写真、不貞相手とのメールのやり取り、風俗店の会員証など、複数の証拠によって立証できる場合があります。

(2)配偶者から悪意で遺棄されたとき

 正当な理由なく、夫婦の同居義務、相互扶助義務に違反する行為があった場合です。「悪意」というには「夫婦関係の廃絶を企み、または容認する意図」が必要とされるため、単に別居しただけでは悪意の遺棄には当たりません。

(3)配偶者の生死が三年以上明らかでないとき

 配偶者の生存を最後に確認できた時から3年以上生死不明である場合を指します。

(4)配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき

「強度の精神病」とは、夫婦の協力義務を果たすことができない程度の精神的な障害を指します。

 もっとも、病気は本人の責任ではないので、簡単に離婚が認められてしまうのではあまりに酷です。
 このため判例では、強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合であっても、病気の配偶者の今後の療養、生活が成り立つよう、できるだけ具体的な対策が講じられており、離婚しても配偶者が生活に困ることはない場合でなければ離婚を認めないとされています。

 

(5)その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

 婚姻関係が破綻し、婚姻生活が回復する見込みがない場合には、「婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」にあたるとされます。よく主張される例としては以下のようなものがあります。

①ドメスティック・バイオレンス(DV)

 配偶者から、身体的暴力、言葉の暴力、精神的暴力を受けている場合には、離婚原因が認められる場合があります。
 ただし、DV行為があったことを立証するため、いつ、どのような行為を受け、どのような被害を被ったかを、診断書、写真、ビデオ、目撃者の証言、加害者本人の自認書など、できるだけ客観的な資料で裏付ける必要があります。

②性格の不一致

 離婚を希望する理由としてよく挙げられるのが性格の不一致です。

 生活習慣の不一致にいつまでもなじめない、金銭感覚が一致しない、些細なことで口論が絶えないなど、理由は様々ですが、夫婦は別の人間なのですから、性格が完全に一致するはずはありません。ですから、性格の不一致のみで離婚原因が認められることは少ないと言ってよいでしょう。

 性格の不一致によって離婚が認められるには、それによって婚姻関係が破綻し、回復の見込みがないと認められる必要があります。 

③浪費

 配偶者が家計を顧みず、分不相応な浪費を繰り返す場合には、「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたります。世帯の収入状況、配偶者による商品購入を裏付ける明細書、借入履歴など、浪費を裏付ける資料を準備する必要があります。

④配偶者の親族との不和

 親族との関係と夫婦の関係は別ですから、親族との不和は直ちには「婚姻を継続しがたい重大な事由」にはあたりませんが、例えば嫁姑の争いに夫がかかわろうとせず、かえって姑の肩ばかりをもって一緒になって妻を攻撃する場合のように、親族との不和が婚姻関係破綻の原因となる場合には、離婚が認められる場合があります。

 ただし、長年の不和を記録しているケースは珍しく、客観的な証拠に乏しい場合が多くみられます。当初は離婚に応じると言っていても、離婚条件を話し合ううちに「そんな不利な条件なら離婚しない」などと相手が言いだすケースは少なくありません。
 そうした場合に備えて「いざとなったら強制的にでも離婚することができるかどうか」は最初に十分検討しておく必要があります。

 ご相談者の方のお話を伺っていますと、例えば、年収300万円なのに夫の小遣いとして月に10万円も要求されるとか、妻の用意した食事が気に入らないと夫が床にぶちまけるとか、妻の子どもに対する叱責が程度を超えており児童相談所に通報されているなど、「立証できたら離婚原因として十分だな」と思われるケースもよくみられます。
 ですが、いざ相手が離婚に応じず、裁判で離婚を争うことになったら、それらの事実が立証できるかどうかが勝負です。日常生活上の出来事は、裏付け資料がないのが普通ですが、離婚を請求している当事者の証言だけでは証拠不十分であり、離婚が認められるとは限りません。

 裏付け資料が足りないなと感じたら、自分で日記をつける、録音する、写真を撮るなど、できるだけ客観的な資料を集めるようにしましょう。

法律相談受付中 離婚・慰謝料の相談。まずはお気軽にお問合せください。 0586-71-4545 ご相談の流れはこちら
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