夫が中学生の長男に対し,些細なことで殴るなどの暴力を加えていた事例です。
過去に何度かそのようなことがあったようですが,当事務所へご依頼になる直前にも暴力行為があり,その結果お子さんがあざなどの傷害を負った様子を撮影した写真が証拠としてありました。
夫は子どもを殴ったことを認めず,写真の内容と自分との関係を否定しましたので,最終的にはお子さん自身からお話を聞く必要があるかもしれないと思いましたが,最終的には夫側から慰謝料として50万円を支払うとの提示があり,妻としてもお子さんを裁判に関与させたくなかったことや,夫の貯蓄や収入の状況から見てそれ以上の支払は現実には困難と判断されたため,慰謝料50万円,養育費一人当たり月5万円,年金分割の内容で離婚調停を成立させました。
一般論として,離婚の問題についてお子さんを巻き込むことは適切でないと言えますし,またお子さんの年齢によっては,証人としての適格性に欠ける場合があります。
お子さんへの暴力が離婚の原因になる場合には,本件のように写真や,診断書などの物証によって立証は可能です。
お子さんが受けた心の傷に対して,慰謝料額が安すぎるようにも思われましたが,お子さんのケアを考えるならば早期に離婚を成立させて家庭の安定を図ることにもメリットがあり,また現実に慰謝料を回収できるかどうか,あるいは逆に夫の恨みを買う危険はないかなどを総合的に判断した結果,上記の結論で調停成立となりました。
2014/06/20
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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