夫の行動が妻に対するモラルハラスメントであると疑われた事例です。
夫の妻に対する行動の監視は度を超しており,家に帰ると妻が昼食に何を食べたかゴミ箱を漁って確認する,妻の携帯電話の履歴をチェックして特定の人間以外とは話をさせないようにする,妻に両親と連絡を取り合わせない,休日は図書館へ連れて行き閉館まで勉強をさせる,妻に対しクズ,バカ,殺してやろうか,などといった暴言を繰り返すなど,モラルハラスメント特有の行動が認められました。
調停の結果,夫から妻に対し慰謝料が支払われるとの内容で調停離婚が成立しましたが,数日後,妻の両親から連絡があり,妻が夫の元に戻ってしまったとのことでした。
このようにモラルハラスメントの事案では,一旦夫の元を逃げ出した妻が自主的に夫のもとへ戻ってしまうことがよくあります。夫のコントロールから抜け出せておらず,逃げ出した自分に非があるのではないかという強迫観念に悩まされるようです。
この件では妻自身が自主的に当事務所へ依頼に来られたことから,夫の支配から抜け切れたものと思っていましたが,後悔の残る結果になりました。
重度のモラルハラスメントの事案でいつも感じるのは,被害者が「心ここにあらず」という様子を見せることです。
まるで自分のことではないように話をする,緊迫した状況下なのに脱力したような様子を見せる,視点が定まらない,こちらの話を全く聞こうとせず意識が自分の内側に向いている様子がある,などです。
おそらく,加害者から強い精神的ダメージを受け続けた結果,自分の意識の中に殻を作っているのではないかと想像されます。
重度のモラルハラスメントのケースでは,加害者の呪縛を解き,被害者に弁護士を信頼させることが非常に困難です。結婚まで長年一緒に暮らしてきた親族でさえ,信頼関係を取り戻すことが容易ではありません。
弁護士による法的な処理だけではなく,医療的なサポートを受けることもケースによっては必要かと考えられます。
2014/06/06
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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