当該事例のご夫婦は見合い結婚でしたが,見合いの時には結婚したら早々に夫の両親の負担で夫婦の新居を建築するという話だったにもかかわらず,結婚後,夫婦でローンを組んですぐに家を建てるよう夫の両親から強く言われたことなどから折り合いが悪くなり,結婚後約1年で妻から離婚を請求し,調停を行いました。
見合いの席での話と食い違うことは明らかだったため,慰謝料に代わる解決金として100万円,その他婚姻期間中に積み立てた預金を財産分与として折半し,養育費は基準表のとおりの額としました。
夫婦の不和を招いた直接のトラブルは新居の建築でしたが,夫が自分の父親の言いなりであったことが原因であった事例でした。
弁護士が双方の両親と直接接触する場面は少なく,あくまで当事者の言い分から想像されるだけですが,最近夫が自分の父親の意見に逆らえないことが夫婦の不和を招いているケースは多いように感じます。
本件でも,結婚に伴って妻が仕事を辞め,夫の収入だけで住宅ローンを組むことはかなり家計に負担をかけることが客観的に明らかでしたので,自宅建築の時期について夫婦で十分な話し合いができれば離婚を回避できたのではないかと思います。
お見合いのケースでは,お見合いの際の話と違うというトラブルは多く見受けられます。
話の流れで冗談程度になされた約束というケースもありますし,また口約束は立証が難しいため,当然に慰謝料には結びつきません。
本件ではお見合い後に夫側から熱烈な手紙が送付されており,その中に新居に関する確約がなされていたために夫も慰謝料の支払いに応じたものです。
2014/06/04
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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