夫からの離婚請求に対し、自宅の名義を妻に移転する代わりにこれに応じた事例です。
養育費に代えて夫が住宅ローンを払い続け、離婚と同時に自宅を妻に財産分与するとの内容の公正証書を作成しました。
本件では、妻の実家の敷地内に夫名義の自宅が建てられており、離婚するに当たって、自宅の名義を妻に移転することは絶対条件でした。夫の年収からすると、養育費の額は住宅ローンよりも大きいはずでしたが、住宅ローンを完済する代わりに、養育費は事実上免除することで合意しました。
妻の実家の土地上に夫が自宅を建てるという事例は多く見られますが、いざ離婚となると非常に処理が難しくなります。夫が住宅ローンを滞納してしまうと、妻の実家の土地までもが抵当権の実行によって失われる危険があります。妻自身に相当の収入がある場合には、ローンを借り換えることも可能ですが、そうでない場合、夫自身に支払いを継続してもらうほかありません。とはいえ、夫自身も、住宅ローンを支払い、養育費を支払い、さらに自分の単身世帯の生活費を捻出するのは、非常に負担が重いことでしょう。養育費がきちんと支払われるようにするためにも、工夫が必要になります。
2018/01/11
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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