妊娠中の妻を置いて夫が東京に引っ越してしまった事例です。
夫婦間にはいわゆる性格の不一致に起因する様々な問題があり,妻としては養育費さえもらえればそれ以上の要求はしないという希望でした。
当事務所より夫に連絡を取り,妻の希望を伝えましたが,養育費の額で折り合えず,調停を提起することになりました。
調停は相手方の住所地で行うのが原則ですので,本来,夫の住所である東京の家庭裁判所へ申し立てなければなりませんが,妊娠中の妻に東京まで移動してもらうのは危険です。
そこで夫に対し,このままでは当分離婚はできないと強く説得したところ,夫も名古屋家庭裁判所で調停を行うことに同意しました。
名古屋家庭裁判所での調停の結果,養育費の額は相手方の収入状況を考慮して基準額より少し低い4万円(子ども二人)で合意し,調停離婚が成立しました。
調停は申し立てる方が相手方の住所地の裁判所へ行くのがルールです。
これは何の用意もない相手方に申立人の住所地まで出向かせるのは酷だという理由に基づいています。ですので,当事者双方が「ここでよい」と合意すれば,申立人の住所地や,あるいは中間地点の裁判所などで調停を行うことも可能です。
本件では,妻の方が離婚の調停を申し立てようとしていましたので,本来夫の住所地である東京で調停を行うのが原則ですが,当事者が合意して名古屋家庭裁判所で調停を行うことが出来ました。
管轄について相手に合意してもらうことは通常容易ではありませんが,相手に非があり,相手も非を認めているようなケースでは合意が得られる場合があります。
2014/06/06
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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